漆喰鉢


<漆喰とは>
<環境にも人にも優しい>

漆喰は、消石灰に海藻であるふのりや角叉などの粘着剤と麻糸などの繊維質を加え、水で練り合わせたもので、砂や粘土を加えることもあります。素材として耐久性が高く、不燃であり、またカビがつきにくいといった性質も備えています。近年ではCO2やホルムアルデヒドの吸収といった効果も発見され、「環境にも人にも負担をかけない自然素材」として注目を集めています。
<2億~3億年前のサンゴ礁>

漆喰の原料である「消石灰」は、石灰石を焼成・消化した物です。現在の石灰石のほとんどは、2~3億年前のサンゴ礁であると言われています。サンゴは海中の二酸化炭素を吸収して、石灰質の殻を作ることでサンゴ礁を形成します。つまり消石灰そのものが二酸化炭素を素材とした自然物なのです。
<漆喰は文明とともに>

古代エジプト時代やギリシア・ローマ時代の建築物、そしてマヤ遺跡、万里の長城など、世界を代表する多くの建物が漆喰で造られています。また日本では約1,300年前の法隆寺や高松塚古墳の壁面に使用され始め、江戸時代になってからは、城郭の漆喰彫刻や、町屋文化の発展にともなう漆喰の壁などに多く利用されるようになりました。
<漆喰の効果>
自分の出したCO2は全て吸収
漆喰の原料となる石灰石の主成分は炭酸カルシウムです。それを焼くと酸化カルシウムとなり、生石灰と呼ばれます。これを水と反応(消化)させると、高熱を出しながら消石灰になります。これに糊などの繊維質を加え、水で練り合わせたものが一般的な漆喰です。消石灰は空気中の二酸化炭素と反応して炭酸化されます。そして100年以上かけて、もとの石灰石と同じ炭酸カルシウムになっていきます。つまり、漆喰は炭酸カルシウムを焼いた際に発生したのと同量の二酸化炭素を吸収(漆喰鉢Lサイズで約3.6kg)して、徐々に硬化していくのです。

ホルムアルデヒドを吸着・分解
漆喰は高アルカリ性で、ホルムアルデヒドを吸着・分解します。そして一度吸着したホルムアルデヒドは、再度空気中に放出されることはありません。
結露の予防
漆喰は、主成分である消石灰の微細孔により高い吸湿性能を有し、結露を防止・抑制する効果があります。
カビや細菌の発生・増殖を予防
消石灰は高アルカリ性のため、カビや細菌にとって住みにくい環境をつくります。そのため、湿気を吸ってもカビが発生することはありません。